ソプラノ/アウトリーチ専門演奏家の永井友梨佳です♩
今日ご紹介するのは、木下牧子作曲・やなせたかし作詞の「海と涙と私と」です。
歌曲集「愛する歌」の3曲目となります。
作曲の木下牧子さんって?
木下牧子さんの曲を紹介するのも4曲目となりました。
木下牧子さんについてはこちらの記事をご覧ください。
作詞のやなせたかしさんって?
アンパンマンの原作者として有名なやなせたかしさん。
実は詩人としてもご活躍されていました。こちらの記事をご覧ください。
「海と涙と私と」の歌詞
では、歌詞をみてみましょう。
海と涙と私と
月夜の海にきてみたが
月夜の海は青いだけ
波がむなしくさわぐだけ
たださびしさがこみあげる
夜あけの海にきてみたが
夜あけの海も青いだけ
かもめがひくくうたうだけ
ただかなしみがますばかり
でもこの海のなつかしさ
でもこの海の塩からさ
すこし心がほっとする
ひるまの海をみていると
ひるまの海も青いだけ
遠くを船がすぎるだけ
すこし涙がかわくだけ
やなせたかし・詩
「愛する歌」の10曲のうち、個人的にはいちばん大人な歌詞だと思います。
もちろん子供でもわかるような言葉でかかれているけど、
内容を理解したり実感できるのは、年を重ねてからじゃないかな。
海をながめること
海ってすごく不思議ですよね。
私は、高校卒業までは鳥取県で育ち、海がすぐ近くにある環境でした。
といっても歩いて行ける距離ではなく、そんなに頻繁に行くこともなかったのですが…
その後、大学入学と共に京都に引っ越して、海からはさらに遠くなります。
大学時代、たまーに神戸の方へ行って、電車から海がみえたりすると
なぜかすごくほっとしたんですよね。
特別海がすきだったわけではないので、すごく不思議でした。
海をながめていると、そのときの気持ちを受け止めてくれるような感じがあります。
なにかモヤモヤしていたりしても、だんだんその気持ちが落ち着いていくような。
海をながめるだけで、何を言われたわけでもないのに不思議ですよね。
やなせたかしさんも、こうやって海をみた経験があったのでしょうか。
定まらない調性の魅力
木下牧子さんの曲も、毎度ながらめちゃくちゃすてきです。
前奏なんか特に、調性がふわふわしていて、気持ちがゆらいでいるような感じ。
でも、とっても心地いい揺らぎなんですよね。
歌のメロディーも、
始めはマイナー(短調)ですが、その後メジャー(長調)になったり
またマイナーになったり…
最後はやさしくメジャーで終わります。
なんだか、あらためてこの曲を味わってみて、
気持ちが落ち込んだりすることがあっても、それでもいいんだよと言われているような、、
少しおおげさかもしれませんが、
気持ちが落ち込むことも、人生の彩りとなるのかなあと思いました。
この調性の不安定さがとっても魅力的です。
おわりに
海のような、とっても大らかな一曲。
わたしも、こんなふうに大らかな人間になりたいです…
これからも大切にうたっていきたいと思います。
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