曲の紹介

「Stand Alone」作曲:久石譲、作詞:小山薫堂

ソプラノ/アウトリーチ専門演奏家の永井友梨佳です♩

 

ネオクラシカルな日本のうたの曲解説シリーズ!

今回ご紹介する曲は、久石譲作曲・小山薫堂作詞の「Stand Alone」です。

 

 

この曲は、2009年~2011年に放送されたNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」の主題歌としてつくられました。

作曲はジブリ音楽で有名な久石譲さん、

作詞は放送作家などをされている小山薫堂さんです。

 

「Stand Alone」の歌詞

では、歌詞をみてみましょう。

 

Stand Alone

 

ちいさな光が 歩んだ道を照らす

希望のつぼみが 遠くを見つめていた

迷い悩むほど 人は強さを掴むから 夢を見る

凛として旅立つ 一朶いちだの雲を目指し

 

あなたと歩んだ あの日の道を探す

ひとりの祈りが 心をつないでゆく

空に 手を広げ ふりそそぐ光あつめて

友に 届けと放てば 夢叶う

はてなき想いを 明日の風に乗せて

 

わたしは信じる 新たな時がめぐる

凛として旅立つ 一朶の雲を目指し

 

詩・小山薫堂

読んでいると、未来への希望や、そこへ向かう強さみたいなものが感じられます。

気持ちを高めてくれるような、勇気をくれるような、そんな歌詞ですよね。

 

「一朶の雲」とは?

歌詞にでてくる「一朶いちだの雲」って、なかなか聞きなれない言葉ですよね。

一朶いちだ」は、「ひとかたまり」といった意味で、雲の数え方としても使われる言葉だそう。

 

この曲は、NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」の主題歌として作られました。

「坂の上の雲」は、司馬遼太郎さんの小説が原作となっており、

明治維新以降の日本が、日露戦争で勝利するまでの話が描かれています。

 

歌詞にでてくる「一朶の雲」は、この小説のあとがきにヒントがあるようです。

引用してみますね↓

楽天家たちは、そのような時代人としての体質で、前をのみ見つめながらあるく。
のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲がかがやいているとすれば、それをのみ見つめて坂をのぼってゆくであろう。
(文春文庫 司馬遼太郎 著『坂の上の雲』あとがき より引用)

「楽天家たち」とは、明治時代の人々のことを指しています。

明治時代の人々は、日本を近代化・欧米化させようと、ただただ前だけを見つめながら進んでいった。

その様子を司馬遼太郎はこのように例えたみたいです。

きっと、明治時代には独特な雰囲気があったんだろうと思います。

国がどんどん変わっていく高揚感、わくわくする感じ。

もちろんすべてが順調にいくわけはないけれど、

時代が大きく動いていく流れと、動かしていく人たちのパワーが溢れていたんだろうと思います。

 

シンプルで感動的な曲

さて、この詩に久石さんはどのような曲をつけたのでしょう。

僭越ですが、私が演奏したものを貼ってみますね↓

 

シンプルながら、歌詞がストレートに伝わるメロディが印象的ですよね。

後半にかけての盛り上がりも、歌詞とも相まってとても感動的です。

強さと希望をもらえる曲だと思います。

 

この曲とイギリス民謡

この曲が作曲された経緯について、久石譲さんのインタビュー記事をみつけたので

ご紹介しますね↓

「これだけスケール感あるドラマなら、音楽はシンプルにしたい。特にメインになる曲はどこまでシンプルにできるかにこだわった」

「スコットランドやアイルランドの民謡が頭に浮かびました。素朴でどこか懐かしい。いつまでも心に残るような。そんなテーマ曲が書けないかと。」──久石譲

久石譲、「坂の上の雲の音楽を作るにあたってイギリスに向いていた」より引用

インタビュー内で久石さんも言われていますが、

「蛍の光」や「ロンドンデリーの歌」は日本人にとても馴染み深い曲ですが、

実はスコットランドやアイルランドの民謡なんです。

 

この曲たちも、明治維新以降に日本に伝わって、広く歌われて愛されていったんだと思います。

まさに「坂の上の雲」の時代ですね。

そういえば「蛍の光」は大みそかの紅白歌合戦の最後にも歌われますよね。

もともとはスコットランド民謡だった曲が、日本のうたのように愛されて歌われているのって

よく考えると不思議…

 

3人の歌い手たち

ドラマ「坂の上の雲」は3部構成で3年間に渡って放送されたようですが、

主題歌の「StandAlone」の歌い手は、毎回変わっているんです。

 

第一部はサラ・ブライトマンさん、第二部は森麻季さん、第三部は麻衣さん。

めちゃくちゃ豪華ですよね…!

三者三様で、それぞれとても素敵な演奏なので、ぜひ聴き比べてみてください。

※麻衣さんは歌手で、久石譲さんの娘さん。ナウシカの「ランランララランラン」は子供の時の麻衣さんが歌われているんですよ~

 

おわりに

はじめて久石譲さんの楽曲を解説してみましたが、いかがでしたか?

この曲は、私は高齢者施設などでも歌わせてもらっていて、

高齢者施設の観客のみなさんにも、とても良く聴いていただけた印象があります。

原作やドラマを観ていらっしゃった方もおられたのかな?

初めて聴いたとしても心にすっと入ってくる、印象的な曲だと思います。

これからも大切に歌っていきたいです(*^^)

 

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永井友梨佳
声楽講師/ボイストレーナー。ソプラノ歌手。
鳥取県米子市出身。京都市立芸術大学音楽学部声楽専攻卒業。

ストアカ プラチナバッジ獲得講師。レッスン受講者からの評価は、平均☆4.97をいただいています(レビュー件数200件以上)
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